SCS評価制度を機に見直したいPC利用環境|端末内データの管理と社外からのアクセス経路の保護

はじめに:SCS評価制度を機に見直したいPC利用環境

2026年度末の運用開始が予定される「SCS評価制度(サプライチェーン強化に向けたセキュリティ対策評価制度)」への関心が高まっています。この制度は、サプライチェーンを構成する企業のセキュリティ対策状況を共通の基準で評価・可視化し、委託元・委託先双方の負担を抑えながら、サプライチェーン全体のセキュリティ水準を底上げすることを目的としています。

SCS評価制度への対応を考える際には、規程や体制だけでなく、日常業務で使われるIT環境の実態を確認することが重要です。中でもPC利用環境は、業務データの保存先にも、社外アクセスの入口にもなり得るため、ルールと実運用のギャップが生じやすい領域です。

持ち出しPCやリモートワークでは、社外持ち出しルールやVPN利用の有無は確認されても、端末内に残る業務データや、外部に公開された社外からのアクセス経路までは確認が及ばないことがあります。

本記事では、こうした実運用上のギャップが生じやすい「端末内データの管理」と「社外からのアクセス経路」に絞り、SCS評価制度を見据えた見直しの考え方を整理します。

※本記事は、経済産業省・内閣官房国家サイバー統括室が公表した制度構築方針に基づきます。SCS評価制度は特定製品の導入を必須とするものではありません。最新情報もあわせてご確認ください。SCS評価制度の概要を知りたい方は下記をご参照ください。

▶ CACHATTO COLUMN | SCS評価制度とは

1. PC利用環境で確認したい2つの観点

PC利用環境を確認する際は、まず「端末に残るデータ」と「社外から社内へ入る経路」に分けると、対策の抜け漏れを整理しやすくなります。前者は情報漏洩時の影響範囲に、後者は社内環境への侵入口に関係するためです。

端末内データの管理:業務データを端末に残さない、または残るデータを保護する

社外からのアクセス経路:社外から社内へのアクセス経路を認証・管理・保護する

2. 対策の考え方:端末内データと社外からのアクセス経路を分けて確認する

ここから、2つの観点について、SCS評価制度の関連項目と照らしながら確認します。

2-1. 端末内データ管理の見直し

端末内データ管理は、持ち出しPCの紛失・盗難時に、情報漏洩の影響範囲を左右します。まずは、業務データを端末に残さない運用になっていること、端末にデータが残る場合は暗号化などで保護されていることを確認します。

端末内データ管理の見直しは、SCS評価制度における機密情報管理、リモートワーク時のルール、可搬媒体の制限、暗号化、データ保管ルールといった観点とも関係します。以下は、PC利用環境の見直しに関連する主な要求事項・評価基準を抜粋・要約したものです。

持ち出しPCでは、利用者の操作や例外運用によってローカルにデータが残ることがあります。暗号化や保管ルールだけで管理しきれない部分があるため、「残ったデータを守る」だけでなく、「そもそも業務データを端末に残さない」設計も見直しの選択肢になります。

2-2. 社外から社内へのアクセス経路の見直し

社外からのアクセス経路は、社内環境への入口にあたります。外部に公開された機器を経由する構成では、その機器の脆弱性管理や監視が継続的に発生するため、認証・管理・保護の状態を確認対象に含めます。以下は、社外アクセス経路の見直しに関連する主な要求事項・評価基準を抜粋・要約したものです。

VPN利用の有無だけでは、社外からのアクセス経路のリスクは判断できません。外部公開された機器が残る限り、脆弱性対応や監視の対象も残ります。運用負荷と攻撃対象領域を抑えるには、外部公開している機器を減らす視点も有効です。

3. 端末内データ管理と社外からのアクセス経路の見直しを支援するCACHATTO セキュアコンテナAD

ここまで見てきたように、持ち出しPCやリモートワークでは、端末に残る業務データと、外部に公開された社外アクセス経路がリスクとして残りやすくなります。
そのため、PC利用環境の見直しでは、端末に業務データを残さない設計と、社外からのアクセス経路の露出を抑える設計をあわせて検討することで、情報漏洩リスクと運用負荷を抑えやすくなります。一方、既存のVDIをはじめとした画面転送方式は運用負荷が高く、一般的なSSL-VPNは端末内データの残存や機器の外部公開、脆弱性対策の確実な実施等の課題が残ります。 

この2つを1台のPCで両立する選択肢が、データレスクライアント「CACHATTO セキュアコンテナAD」です。

セキュアコンテナADでは、PC上の隔離された業務領域で作業し、終了時にその領域ごと削除することで、端末に業務データを残さない運用を実現します。さらに、標準装備の外部非公開型VPNは、多要素認証にも対応しており、VPN機器を外部に公開せずに社内環境へ接続できます。

本製品の機能、動作要件、VDI・リモートデスクトップ・一般的なVPN方式との違いについては、製品サイトで詳しくご確認ください。

※SCS評価制度への対応には、規程・体制・運用ルールの整備も含まれます。CACHATTO セキュアコンテナADは、本記事で取り上げた観点のうち、端末内データ管理と社外アクセス経路保護の技術的対策を支援するものです。制度上の要求事項を単独で満たすことを保証するものではありません。機密情報の把握やルール策定は、組織側で整備する必要があります。


参考資料